毒
愛されないなら愛されないまま生きるしかないらしい。
生きるしかないらしい。
死ねない限り命は続いていく。
友人がいなくても、恋人がいなくても、みじめでも、意味なんかなくても、頑張る理由がなくても、あの頃死ねなかった理由がわからないままでも。死ねたアイツラが羨ましいままでも。
生きるってなんだ。
生命活動を続けることか。
どうやらそれをやるには金がいるらしい。働かなきゃいけないらしい。
働くってなんだ。人生の大半を注ぎ込まなきゃいけないそれに、どんな価値を見い出せばいい?
どういう理由があれば私は納得できる?
自分がどうありたいのかもわからない。
どうしてやれば私は幸せになる?どうなってやれば私は自分の人生に納得がいくんだ?
あても検討もつかないままはしるのはしんどい。歩くのですら。
私は何しにここまで来たんだった?
わからない。なにも。
金は欲しい。即物的で俗物的な欲は確かにある。
でもそれじゃないはずだ。
それ以外に欲しい物があるはずなんだ。それさえ知れたら他の知識など何も要らない。
現実にはない気もしてきた。
だから見つからないんじゃないか?
ならどこにある。
羨ましいのは誰だ。
妬ましいのはどいつだ。
そこに答えはあるだろうか。
必要とされたい。
ただそれだけなんじゃないか。